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2021年2月25日 (木)

年末大型時代劇よ永遠なれ~第一夜~

 かつて日本テレビで晦日、大晦日と二夜連続で放送していた大型時代劇があった。今では考えられないような豪華キャスト陣が名を連ね、名優たちのその演技はさることながら、演出も素晴らしく、重厚感があって時代考証も完璧。放送後には大きな感動を巻き起こした名作揃いのスケールの大きい一大スペクトラムなドラマだった。

 おそらく、バブル時代の遺産であり、今、あのようなキャスティングで制作するとなると、ギャランティーが莫大で、制作は到底出来ないであろう。シリーズはほぼ同じ俳優陣がこぞって毎年、出演していた。

 では、1985年に始まったシリーズにはどのようなものがあったか回顧したい。

 1985年「忠臣蔵」 里見浩太朗 「憧れ遊び」
 1986年「白虎隊」 森繁久彌  「愛しき日々」 
 1987年「田原坂」 里見浩太朗 「遥かな轍」
 1988年「五稜郭」 里見浩太朗 「夢の吹く頃」
 1989年「騎兵隊」 松平 健  「冬の蝉」
 1990年「勝海舟」 田村正和  「青春で候、プラトニック」
 1991年「源義経」 野村宏伸  「恋文」
 1992年「風林火山」里見浩太朗 「夢を継ぐ人」 
 1993年「鶴姫伝奇~興亡瀬戸内水軍~」後藤久美子「波の調べに」

 主題歌は、堀内孝雄、さだまさしが手掛けていた。

 第一夜の本日は、初回作品の「忠臣蔵」だ。 それでは今日から2日連続で、特に私が印象に残る大作をドキュメントでお送りしたい。

 主演の大石内蔵助役に里見浩太朗を据え、浅野内匠頭役に演技派の風間杜夫、そして吉良上野介役に大御所俳優の森繁久彌を立てた。この布陣は、その後のシリーズも同様の配役となった。
 ではハイライト動画をどうぞ!

 この動画を見ただけでもスケール感が半端ない。物語に重みが加わり、感動が全身を包に込む。

 前編「君、怒りもて 往生を遂ぐ」 松の廊下における刃傷事件から、大石内蔵助が仇討ちを決意するまで。
 後編「我、一死もて 大義に生く」 仇討ちの準備から討ち入り、そしてその後の幕府の混乱を描く。

 この「忠臣蔵」の中で名シーンと思う場面を私なりに整理したい。

 第1位 南部坂の別れ

 主君浅野内匠頭の仇討ちのために決起したことを内匠頭の正室、瑤泉院(多岐川裕美)に伝えに来るシーン。しかし、間者が屋敷に入り込んでいることを察知した内蔵助が、心ならずも嘘の芝居を行い、瑤泉院に罵られて屋敷を後にした後、血印の連判状を発見し、内蔵助に詫びる場面。

Nanbuzaka

 第2位 日野家用人「垣見五郎兵衛」と対峙する場面 

 正体を偽って「垣見五郎兵衛」(西田敏行)を名乗って宿泊していた赤穂浪士一行だったが、そこに本物が現れ、対峙するシーン。ただならぬ気配を察知し、彼が大石内蔵助と見破り、亡き殿の無念を晴らすべく命をかけて討ち入りを決意したことを悟った垣見氏は、彼の不退転の覚悟にいたく感銘を受け、快く日野家の家紋である「鶴の丸」入りの陣笠を進呈するシーンは涙ものだった。本懐を遂げられるよう願う場面は武士の情けを感じざるをえなかった。

 第3位 赤埴源蔵が決起前夜、義兄を訪ねるシーン

 あおい輝彦演じる「赤埴源蔵」が決起の前の夜、死ぬかもしれぬ運命を悟り、慕っていた義兄を訪ねたが留守。羽織を前に、語りかけながら酒を酌み、涙ながらに「最期に兄者と酒を酌み交わしたかった」と泣き叫ぶシーンは脳裏に焼き付いて離れない。

Sakazuki

 第4位 赤穂浪士たちの処遇で儒学者の意見を聞くシーン

 討ち入りを果たした内蔵助以下、四十七士たちの処罰を決めるのに、時の将軍綱吉の面前で、ふたりの学者が意見を戦わせるシーン。涙ながらにお慈悲を願う林大学頭(佐野浅夫)に対し、死をもって完結させることこそ武士の美学と訴える萩生徂徠(西村晃)。結論が見いだせず、公弁法親王(上原謙)に伺いを立て、結果、死罪(切腹)を申し渡すこととなる。

 第5位 唯一、赤穂浪士で討ち入りに参加しなかった毛利小平太の葛藤シーン

 西郷輝彦が演じた赤穂浪士、毛利小平太が、祝言を挙げる予定だった娘を置いて、浪士たちの潜伏先である詰め所に向かおうとするが、その娘の兄に諭されて、討ち入り参加を断念するシーン。兄者が「どうしても行くというなら私を斬ってから行け」と叫び、斬りつけるが、思いとどまるシーンはグッとくるものがった。見事討ち入りを果たした浪士たちが、勝ちどきを挙げ、日本橋を通り、内匠頭の眠る泉岳寺の墓前まで練り歩く際に、土下座して内匠頭一行に詫びるシーンは涙無くしては見られなかった。

  このドラマの放送から早、36年が経過し、多くの出演者たちがお亡くなりになられた。

 森繁久彌、竹脇無我、加藤嘉、高品格、藤岡琢也、下川辰平、松山英太郎、丹波哲郎、西村晃、上原謙、夏八木勲、藤木悠、山岡久乃

 この場を借りまして、あたらめてご冥福をお祈りいたします。

 さて、本日は初回作となった「忠臣蔵」を振り返ってみました。懐かしい場面が思い返されたことでしょう。幸い私はDVDも持っているし、最近、BSで再放送した時もレコーダーに録画し保存してある。それを見返すたびに思うことは、昔の俳優たちは存在感があって、重みがあって、そして要所要所を締めてくれる名演技の数々だったと感服する。今の俳優は、何か物足りない。ベテランでいぶし銀の活躍だったり、主役を上手に引き立てる名脇役も少ないし、時代劇に本当に似合う俳優や女優が少なくなった。例えば、三船敏郎、勝新太郎、天知茂、二谷英明、露口茂、緒形拳、原田芳雄、萩原健一、高倉健、菅原文太、三國連太郎、芦田伸介、津川雅彦など、味があって渋みもある存在感抜群の俳優は本当に減ってしまった。
 たぶん、そうしたキャスト不足の面も、あの時代のような大型時代劇を制作できない一因でもありそうだ。バブル期のあの頃に、こんなに素晴らしい時代劇ドラマに巡り合えたことに感謝したいと思う。

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