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2020年9月 3日 (木)

劇的に変化した巨人の戦略

 今年の巨人は神がかっている。なぜ3割打者ゼロで、計算できるローテーションの先発投手が僅か2人(菅野・戸郷)きりという状況で、9/2現在、2位に7.5ゲーム差をつけ、ペナントレース首位ぶっちぎりなのかがわからない。他チームの戦力との差が歴然だとは決して思わない。すべては原監督の采配と抜群の用兵力あってのもの種。特に、今季は潤沢な資金力で選手を寄せ集めた訳ではない。補強に関しては、阪神のほうが外国人助っ人を多数獲得して戦力アップにはどのチームより金をかけて来た筈だ。

 しかし、近年、巨人に憧れた神話はもろくも崩れ、「是が非でも巨人で」という選手はいなくなり、またドラフトでも極めてクジ運が悪く、スター選手や有望選手を根こそぎ他球団に持っていかれている状況で、戦力は均等化しているのは言うに及ばない。同様に、昨年オフではFAでも、有力選手にことごとくソッポを向かれ嫌われたのは記憶に新しいところだ。なのに、巨人がここまで強い理由はどこにあるのか?

 従来今年の巨人を比較し、戦法や戦力にどれくらい変化が見られるのか私なりの視点で検証したい。 

巨人の戦略で変わった点

1 若手の登用

 常勝が義務付けられている巨人。従前はFAやトレードで、他チームの主力を根こそぎ寄せ集めては、即戦力ばかりを補強してきた。

 川口(広島)、前田(ロッテ)、清原(西武)、石井浩(近鉄)、江藤(広島)、小久保(ダイエー)、工藤(ダイエー)、小笠原(日ハム)、村田(横浜)、大竹(広島)、豊田(西武)、マイケル中村(日ハム)、森福(ソフトバンク)、野上(西武)などだ。

 2年前には広島の丸もFAで獲得し、結果、セ・リーグ3連覇していた広島の落ち込みようは目を覆うばかりだ。   

 しかし、今年の巨人は、従来の戦法や戦略とは趣を異にし、若手にもチャンスを平等に与えている点で評価したい。いくらファームで結果を残してもベテラン陣や移籍組が居座り、ベンチを温めているようでは、やる気が失せる。

 今年、チャンスをものにし、躍動している若手は、スピードマスター増田、打棒爆発の北村、守備も上手い若林、ファーム首位打者の山下。投手陣も田中豊、大江、直江などが、伏兵として期待以上の活躍で勝利に貢献している。

 若手にも平等に出場機会を与えることで、結果を残せば一軍に上げてもらえるという上向き感情やモチベーションアップに繋がっているのは間違いない。

2 見切りが早い 

 沢村、サンチェス、ビエイラ、デラロサ、畠など期待値が高かった選手を一軍に上げ、結果が出ないと、すぐさまファームへ落とす。或る意味、非情な采配に映るが、若手は、「プロは結果がすべて」という厳しい掟を植え付けるには最善の判断だろうと思う。もちろん、現状のように首位を独走しているチーム事情があってのことで、もしこれがAクラス入り瀬戸際の戦績であったなら、こんな若手の登用はできない。
 今年の原監督はとにかく見切りが早い。たった1試合だけで、すぐに一軍で使えるか否かを判断。力量を見抜き、早い決断で、再びファームでの再調整を目指し、自力で一軍を勝ち取るよう仕向けている。これはチャンスは誰にでもあることを体で覚え込ませるために必要なアメとムチだった。

3 外国人助っ人に頼らずに、国産戦力で戦う姿勢

 結果を欲しがる巨人は、他球団の主砲クラスの外国人を獲得して来た。

 シコースキー(ロッテ)、李(ロッテ)、マルチネス(西武)、ペタジーニ(ヤクルト)、ラミレス(ヤクルト)、ローズ(近鉄)、ゲレーロ(中日)、陽(日ハム)などがそうだ。

 しかし、巨人に来た途端、多額の移籍金、契約金に慢心してしまうのか、急に結果が出なくなる。逆に巨人を離れた外国人選手は、DeNAのロペスのように、まるで水を得た魚のように、大活躍している。 

 ところが、今年の原監督は、結果が出ない選手は、外国人助っ人であっても、即座にファーム調整を命じたり、スタメンから外すことが多くなった。もちろん故障や怪我という理由もある。

 速いがノーコンで四球連発、自滅パターンが多いビエイラ、韓国球界では通用しても日本では右肩故障もあって伸び悩んでいるサンチェス、そして守護神デラロサまでも突然の脇腹故障により、登録抹消になった。そしてここに来て「サメ男」パーラも最初は良かったが、メッキが剥がれたようで、スタメンから外れてる。

 これはスカウトの目がないためで、特に外国人選手に頼らずとも、今の巨人は国産打線でなんとかやりくりできるだけの選手層の厚さを有している。

4 ベテランを重用

 かつて原監督が全日本を指揮し、WBC2連覇の偉業を成し遂げた時の2番打者、中島宏之を買っており、5番打者としてクリーンアップの一翼を任せている。そして亀井も代打での出場が増えたが、ここ一番の場面では、ベテランらしいしぶとい打撃で、チームに貢献している。
 ところで、近鉄、楽天、ドジャースやマリナーズで活躍した岩隈久志投手が、巨人の一員だということを覚えているだろうか?移籍後、2年間、やはり故障が原因で、なかなか登板機会に恵まれず苦労しているが、もし原監督が彼を再生できたら、間違いなく、巨人一の名監督になれると思う。かつて「野村再生工場」などと呼ばれ、ヤクルトが黄金期を築いた。原監督にそういう眼力が備わっていて、それを見越して大枚をはたいて獲得していたのなら、まさしく本物で、「Top of the top」に値する。
    
 私は台湾の英雄・陽岱鋼選手の処遇にも苦慮していると思う。自肩が強く、日ハムでは打撃でも実績を残してきた。なのに、巨人ではベンチが多くなってきた。もったいない。実力社会ではあるが、彼が出場機会に恵まれないほど巨人の選手層の厚さは際立っているが、若手の台頭で、やはり競争が激化し、過去の栄光にしがみついていることはないだろうが、実績が先行し、実力でポジションを勝ち取るという気構えが年々薄くなっているのは確かなようだ。「いつまでもあると思うな出番とレギュラー」という感じだ。

5 今になってわかる捕手の欲張り補強

 かつて正捕手・山倉や村田・吉原が育ってきた時期に、近鉄の有田を獲得し、なんで?と思った時期があった。原巨人も小林と言う鉄砲肩で日本代表に選出されるような盤石な正捕手がいるにも関わらず、西武からベテランの炭谷を獲得したり、長打力が光る宇佐見、さらには若手の成長株、大城まで獲得し、捕手を贅沢にも先発投手に応じて併用、つまり使い分けしていて、なんなんだこの補強は?と誰もが疑問に思ったことだろう。

 しかし、以前、2人の捕手を交代し、3人目の加藤が予期せぬ頭部死球を受けた際、ベンチに捕手が不在になった際に、ユーティリティープレイヤーの木村拓也選手を、急遽9回のキャッチャーに送った苦い経験がある。それを教訓としてかは定かではないが、今年、小林捕手が骨折で早々に戦線離脱。大城と岸谷の2人をスタメン起用して急場を凌いでいる印象。よって、同等クラスの捕手は、何人いてもありがたいという事情は痛いほど理解できる。 

6 躍動する楽天の救世主

 私は大江や中川という強力左腕に加え、ワンポイントでも、1~2回のショート&ロングリリーフも可能な「高梨」を獲得できたことはかなり大きい。つい最近、ホームラン被弾により初失点したが、移籍後、暫く完璧な投球を見せ、存在感を示していた。なぜ楽天は変則で打ちづらい、これほどの才能を見切って、トレード要因にしたのだろう。
 また、ウイーラーもまた然り。完全に巨人に溶け込み、今やムードメーカーとしても欠かせない存在となった。移籍から間もないのに、すでに8本塁打も記録し、坂本のそれよりも上回る成績を上げている。

7 3割打者ゼロ、先発手薄でなぜぶっちぎり首位?

 巨人は8月末時点で規定打数に達した3割打者は皆無。それどころか、最高打率が丸の.279で、その丸も半月前までは2割5分にも達していなかった。2,000本安打達成がかかる坂本が絶不調。打順をころころ変えられている。岡本も本塁打こそ量産し、4番らしい働きと存在感を示しているように見えるが、打率が.2割6分台では確実性が低い。三振も多い。

 さらに言えば、絶対的エースの菅野が開幕から9連勝、昨年頭角を現した若きプリンスの戸郷が7勝2敗と勝ち頭となり、出来すぎの印象もあるが、この2人だけで16勝2敗と貯金14.しかし巨人の成績はこの二人の貯金だけで、3人目の先発がおらず、成績は五分五分。菅野、戸郷以外の先発投手では、勝てる雰囲気がしない。先制されるとあっさりで、淡白な打撃陣で反撃すら諦める印象がある。

 櫻井は早々に見切られて中継ぎに回され、田口もこの3年は鳴かず飛ばず。コントロールが悪い。期待された若手の畠も序盤で捕まり、早々に降板が相次いだ。     

 8 冴える原采配、用兵力。首位独走は彼無しでは考えられない。

 今年の原采配は野手に登板させるなど、迷走していると一部の評論家から叩かれたりもしたが、私はこれまでの実績から、原さんがいれば、
まず巨人は安泰だと考えているひとりだ。特に走れない守れないのが巨人のルーティーンだったが、今年は一味も二味も違う。鈴木尚広引退後、巨人には足を絡めた攻撃はもう無理と思っていたら、思わぬスピードスターが出て来た。増田、重信だ。このふたりの活躍は想像以上で、
本来ならば本塁突入できない場面でも、生還し、あるいは1点を追う中、二死の絶体絶命の場面で代走で登場し、二盗を決めたと思いきや、当たりそこねの安打で本塁に還り、思わぬ同点劇を演出したり。あまり派手さはなくても堅実に虎視眈々と次の塁を目指す雰囲気を感じる。

 これまでの大技ばかりだった巨人の戦法とは異なっている。

 やはり13年間指揮を執り、8回のリーグ優勝、日本一3回。Bクラスはたったの一度という歴代巨人監督の中でもトップクラスだ。あのONをも上回る成績を残している。それほどの実績のある名監督に、結果を残せなかった評論家は批判するのはちゃんちゃらおかしい。江川は、いっぱしの評論家気取りで、原監督の采配を批判するは、8ゲーム開いてもかたくなにDeNAが優勝すると譲らない。こんな僻み根性だからいつまで経っても監督のお呼びがかからないのだ。堀内に至っては原監督の戦略に口を挟む資格すらない。身の程をわきまえた姿勢をとるべきだろう。

9 沢村、宮國、畠はどうなる?

 今オフ、トレードの目玉と囁かれている3人。宮國は私はあまり期待していない。画面越しだが、彼はかつての内海のように、気持ちが弱く、相手を食って掛かるような気迫に欠ける。何かスマートに投げすぎて無難にまとめようとして腕が縮こまっている印象が否めない。若いのだからもっと腕を振って、活力をたぎらしてガンガン行けばいいのにといつも思う。上背があるのにもったいない。

 そして沢村はかつての輝きはない。どうもトレーナーの治療が原因と言っているらしいが、いつまでも他人のせいにしているようではどこかのいちゃもんばかりつける国家と同じで何の進歩もない。自分は今、投手生命の瀬戸際にいるという自覚をもって、走り込みから始めてほしい。
 彼は見ていて、過去の栄光やプライドの高さだけで基礎トレーニングが不足しているように映る。汗水たらして、走り込み、下半身を強化して投げ込みをやってほしい。まだまだ老け込み齢ではないし、まだ150キロを超える速球を投げ込める。 

 私は師匠の阿部に再生をお願いしたいが、肝心の沢村にその自覚がなく、プライドばかりで練習嫌いなら、環境を変えてやるのもひとつの方法かもしれない。巨人を出て、大活躍した選手も大勢いる。駒田(横浜)、仁志(横浜)、大田(日ハム)などがその好例だ。

 さて、小学生の頃からの巨人ファンである私だが、昭和、平成とその戦いぶりをつぶさに見てきて、令和に入って、原監督が復帰してからというもの、だいぶ戦い方を変えてきているのは明らかだ。
 その変化は、8月末時点で2位に5.5ゲーム差の独走状態を築いていることから判断しても的を射ているのは言うまでもない。
 巨人=原采配で、彼がいる限り、巨人は安泰だというのは皆さんも納得だと思う。

 たぶん、次の監督(阿部?松井?桑田?高橋?)に委譲して、結果が出ない時は、原さんの再再再登板で立て直しを図ることだろう。年齢的に かつ体力的、あるいは気力的に現場監督が厳しくなった場合には、GMやシニアディレクターとして統括する立場で、巨人の行く末を見守るに違ない。

 追記(R2.9.7)

 ついに阿部二軍監督の後輩で、抑えとして活躍した澤村拓一投手が電撃移籍となった。しかもロッテからのトレード相手は、年俸で10倍以上の格差がある香月選手。大阪桐蔭の優勝メンバーだったが、プロ入り後はほとんど一軍での戦績を残していない。なぜ、こんなもったいないトレードを敢行したのか?出場機会が無い巨人よりもロッテの方が出番は多いかもしれないので、新天地での活躍をお祈りしたいと思う。
 

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