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2020年1月12日 (日)

人生の意味を問いかける歌い手・竹内まりや

 今から8年前の2012年にリリースされた曲が、2020年の第一週目のオリコンで第1位を獲得した。それは名曲中の名曲にもかかわらず、一部のファンと特定の人々にしかあまり認知されていなかった曲だ。それが脚光を浴びたきっかけは2019年の大晦日に放送された
「第70回NHK紅白歌合戦」で大反響を呼んだ「竹内まりや」の「いのちの歌」だ。

 彼女は私よりも10歳ほど年上だが、中学時代にデビューした彼女を見て驚いた。目鼻立ちが整った顔立ちに、相本久美子さん似でスタイル抜群、容姿端麗ないでたちは、当初、アイドル歌手かと思えたほどだが、アイドルにはない彼女の歌唱力を知り、本格的なシンガーだとすぐに認識できた。加えて彼女が慶應義塾大学卒の才色兼備であることに、一種の憧れを抱き、それで私も慶應大学進学を志したことを思い出した。

 私は確か、中学生当時、セカンドシングルの「ドリーム・オブ・ユー~レモンライムの青い風~」」というレコードを持っていた。何度、レコードジャケットの彼女の美貌に見惚れたことか知れない。

 やがて「不思議なピーチパイ」が人気化粧品のCMに使用されると、瞬く間にヒットし、テレビの歌番組にも頻繁に出演するようになり、一躍メジャー歌手の仲間入りを果たした。
 しかし、賢い彼女はその一過性のブームに乗ることなく、自らの立ち位置に悩みながらも、自分スタイルを貫き、迎合することなく、人々の琴線に触れるような「本物の音楽」を追求し続けた。

 その契機となったのが、歌唱力、創作力に優れた一流ミュージシャンの「山下達郎」との結婚だった。最大の理解者と強力な後ろ盾を得た彼女は、それまで以上に、オリジナリティ溢れる楽曲をこの世に送った。ある時は女性の深層心理を描写したものや、人間として誰もが共感できる心情、それを自分の言葉で綴り、時には率直に、またある時は、人生の核心を突くような歌詞で散りばめられており、「人間・竹内まりや」を垣間見ることができた。

 ところで1970年代から長らく活動し、変わらぬ人気を誇る女性シンガーというと、ユーミンを思い浮かべるが、その作風とは一種違う独特な楽曲を手掛けたが、これほど地に足を着け、地道に創作活動を継続できたのは、才能もそうだが、夫の支えがあってこそだと思う。
 その当時、久保田早紀や渡辺真知子、五輪真弓、八神純子、尾崎亜美、水越恵子らが活躍していたが、世紀を超えてまで第一線でヒット曲を生み続けた歌手は稀少だと思う。


 では、ここで彼女の経歴を簡単に掲載したい。

 1955年生まれの64歳 島根県大社町(現在の出雲市)出身 血液型はA型 夫はシンガーソングライターの山下達郎
 実家は創業143年の老舗旅館で、出雲大社正門前にある竹野屋旅館 
 1978年に「戻っておいで、私の時間」でデビュー。
 「駅」「純愛ラプソディ」「告白」「シングルアゲイン」「マンハッタンキス」「カムフラージュ」などのヒット曲がある。
 自分の曲だけでなく、河合奈保子の「けんかをやめて」、中山美穂の「色・ホワイトブレンド」など多くのシンガーに楽曲を提供した。


 ところで、バブルの後、1990年代に私は「Request」(リリースは1988年)というアルバムが大好きで、カーステレオでドライブ中に何度、BGM代わりに繰り返し聴いていたことか知れない。時には歌詞の内容を自分の恋愛体験と重ねたり、あるいは恋愛バイブルとして女性の心理を知るための参考にしていた。それほど繊細で揺れ動く女性の微妙な心理、その裏側までを描くことに卓越していた歌手だと思う。

 では、彼女の代表作で、タイトルの示す通りの楽曲を3曲お送りし、ついでに動画サイトに寄せられた、彼女の曲に自分の人生を重ね合わせるように、想いを綴った書き込みコメントも掲載したい。

 1 「いのちの歌」

 この曲は、震災翌年の2012年1月にリリースされた。巨大地震や大津波、原子力発電所事故で多くの人命が失われたあの時期、命の大切さを切実にかつせつせつと語りかけながら歌う彼女。

 「この星の片隅でめぐり逢えた奇跡」「本当に大事なものは隠れて見えない」
 「ささやかすぎる日々の中にかけがえない喜びがある」
 「生まれてきたこと 育ててもらえたこと・・・そのすべてにありがとう」「この命にありがとう」

 「両親や支えてくれた方々に感謝の言葉を残して自分もこの世を去りたい」という人間だからこその生き方がそこに集約されている。
 
 <この曲に寄せられたコメント>

いろいろあって…絶望があって…この曲聴くたびに涙して、生きていかなくてはいけないと再び思っています。ありがとう。

紅白で生の歌声最高に素敵で感動しました😆 まりやさんの歌声とメロディーと歌詞がマッチしてて、素敵な曲✨✨ この詞のように人生を強く生きて行きます

紅白見ました。 改めて、生かされている事に感謝 🌹しみじみ感じました。素晴らしい曲ですね!

素晴らしい…………色々な先に逝った方を思い出します。命の意味……を…………

この歌は、初めて聞きました。涙が出てきました。私もこの世を去る時はありがとう‼️ありがとう、と言ってこの世を去りたい。ありがとう!!

いのちの歌🎵最高です😌💓昨年23歳で😢亡くした息子を💕思いながら聴いてたら😢涙が出ました😢息子に😆ありがとうって😆伝えたいです

今、認知症になった父をおもいながら聞いてました。元気だった頃の笑顔が浮かびました。
  

 そして、この曲はこれまでに小学校の卒業式で合唱されたり、教科書に掲載されるほど反響が大きかった。多くの方に感動を与え、聴く度に、歌詞の意味と自分の人生を重ね合わせて号泣する年配者がいたほどだ。 
 祖父母、父母、親戚など身内の死に接する度に、見つめなおす「生きること」の意味。自分もこの世に生を受けたからには避けては通れない死の存在。死を目前にして「この世に生まれて本当に良かった」と思い、充実感と達成感、安らぎと幸せを感じながら「その時」を迎えたいものだ。 

 2 「静かな伝説(レジェンド)」

 リリー・フランキーと山岸舞彩がMCを務めたフジテレビの番組「ワンダフルライフ」の挿入歌として使われた。毎回、特定の人物の功績や生き様をインタビューを含めて回顧するドキュメンタリー番組だった。僅か半年で終了したが、私は「知ってるつもり」や「徹子の部屋」、「おしゃれ」、「波乱爆笑」のようなトーク中心の番組に好感を持って、毎週見ていた。 

 <この曲に寄せられたコメント>

いつも、竹内まりやさんの、歌声に励まされます。音楽の教科書に載ればいいな。

 3 「人生の扉」

 この曲は渋沢栄一の「人生100時代」(人生訓)を彷彿させるコンセプトが見え隠れする。

 「四十、五十は洟垂れ小僧 六十、七十は働き盛り 九十になって迎えが来たら 百まで待てと追い返せ」という例の名言だ。

  人は誰でも自らが歩んできた道がある。それを「人生」と呼ぶが、決して他人には真似できないその人独自のストーリーだし、ヒストリーだ。そこにスポットを当てた作風は、中島みゆきの「地上の星」とも重なる部分がある。

 その中の一節にある 「長い旅路の果てに 輝く何かが誰にでもあるさ」という歌詞を聴くとハッとして我に返り、震えが止まらない。
   
    そして、“But I still believe it's worth living.” で締めくくるのが竹内まりやならではで、この人は一体人生の意味をどこまで知り尽くしているのだろうか。

<この曲に寄せられたコメント>

気がつけば52です。我ながら、幸せな日々を過ごせていると思います。目に映るもの、すべてに感謝して、心優しくおおらかに、人と接します。がんばれ、わたし。

男女の色恋をテーマにした歌よりも最近、こんな人生をテーマにした歌につい涙してしまうのは、五十路を終えつつある私だけでしょうか?

ミュージシャンとしてなんていい歳のとりかたをしているんだろう。 普通の人々と同じ目線で生きて、いつも前向きな竹内まりやという存在に あらためて感動している日々です。

英語の部分は和訳するとこんなニュアンスかな..と思いました。

I say it's fun to be 20   
You say it's great to be 30  
And they say it's lovely to be 40 
But I feel it's nice to be 50

20歳になった時は全てが楽しかったわね。
あなたは「素晴らしいのは30歳よ」と言うし、
みんなは「自分を愛おしく思えるのは40歳よ」と言うけど、
 …でも50歳も悪くはないわよ。

I say it's fine to be 60      
You say it's alright to be 70   
And they say it's still good to be 80
But I'll maybe live over 90

「元気な60歳になりたいわ」と言ったら、
あなたは「70歳になっても大丈夫よ」っていうし、
みんなは「80歳になったってまだまだ楽しいわよ」と言うけど、
…でも私は90歳を過ぎても生きてくつもりなのよ。

I say it's sad to get weak
You say it's hard to get older 
And they say that life has no meaning 
But I still believe it's worth living 

歳を重ねて弱っていくのは悲しいことだって言えるのかもね。
あなたも「老いていくのは辛いことよね」って言うし、
みんなも「人生には何の意味も無いのよ」って言うけど、
…それでも私は「生きることは価値があること」だって信じているの。

 

 私は生まれた時に、医師から超未熟児で、この子は育たないと匙を投げられた。それでも両親はできるだけの愛情を注いで50歳を越えるまで丈夫に育ててくれた。人並の生活を送らせてくれたし、おそらくは残された人生は長く見積もってもあと30年だろう。
 はたして自分は、子どもや、やがて生まれてくるであろう孫や次の世代に何を残せるだろうか?そんな人間としての本質を突き付けられているようだ。そんな人生の縮図をこの歌が代弁してくれている気がする。
   

 さて、「歌は世につれ人につれ」という明言を残した名司会者がいたが、人生を象徴したり、人間の本質を突いたり、その人の生き方を率直に描写できるシンガーは限られている。それは己の実体験やさまざまな人生経験を基にしないと、詩に表すことなどできないはずだ。
そういう意味では、彼女は数少ない本格派シンガーと言えるだろう。
 1970年代からすでに40年以上もの長きに渡り活動を継続しているシンガーは、ユーミンもそうだが、物事の本質を知り、人生の奥深さまで悟っている人物でなければ長続きはしない。人の心に寄り添い、共感できる詩を創れる歌手は、アイドルやミーハーなどの俗物的なものではあり得ない。
 今年、会社勤めの人間でいうところの「65歳定年」を迎える彼女が、今後、どのような曲を私たちに見せてくれるのか、楽しみは尽きない。

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