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2018年11月18日 (日)

気の毒なプロ野球の球団

 FA(フリーエージェント)制度は、選手会が勝ち取った権利だが、一方でその利害も大きい。
 選手会側からみれば、入団時、自らの意思で球団を選べないデメリットを解消できる。嫌いな球団でも一定期間過ごして国内FA権、海外FA権を取得すれば、己の成績次第で手を挙げてくれる球団があれば、移籍先を選べるという利点がある。 
 もちろん、選手は自分の実力を高く評価し、少しでも条件(年俸)の良い球団を選ぶのはプロである以上は当然の成り行きだ。

 一方、球団側から見れば、チームの看板選手を放出せざるを得ない状況に陥る。FAを行使しないよう、引き止めのためには多額の契約金を用意しなければならない。
 負の面はまだある。人気球団、例えば巨人、阪神、ソフトバンクなど資金力が豊富な球団に根こそぎ持って行かれ、戦力ダウンは否めない。マネーゲームに参加できない球団は、中心選手の移籍をただ指をくわえて見守ることしかできない。

 せっかく新人の頃から育成し、一流選手に育て上げたとしても、厚待遇を目の前にすれば、誰もが二心を抱き、少しでも条件の良い球団への移籍を望むはずだ。
 しかし、FAは根本的に年俸の釣り上げを招き、球団経営を圧迫するという弊害もある。財政難の球団ほどFA制度自体は目の上のこぶでしかない。事実、FAの導入によって、被害を被っている球団がある。それは選手の育成力が群を抜いている広島と西武だ。

  特に、広島の場合、海外にも「カープアカデミー」があり、ひとりひとりを大事に扱い、一流の選手に育て上げている点で定評がある。時間を掛けて育て上げた選手なのに他球団に高額年俸で引き抜かれる現状を何度も見てきた。ファン心理としては落胆の一途だろう。「カープ愛」でずっと応援してきた選手が、突然移籍し、翌年から違うユニフォームを着ている。そんな姿を見れば、ファンは失望し、裏切られた気分になることは必至。

https://www.youtube.com/watch?v=2YC_3Ra_mbk

 逆に言えば、ファンとの関係を考えると、このことが選手の権利行使を阻む一因になってしまう。そこは複雑な人間関係が絡み、球団に育ててもらったという恩義が選手のFA行使を遠慮するということだ。人間である以上、築き上げた信頼関係は壊したくないし、裏切り者として恨まれたくない。選手も辛い選択に苦悩、苦渋の決断をしなければならない。

 では、実際にどんな選手を他球団に持っていかれたか、気の毒なFA献上球団について過去の例を振り返りたい。

 「広島東洋カープ」

 投手・・・川口・大竹(いずれも巨人)、黒田・高橋建・前田(いずれもメジャー)

 野手・・・江藤(巨人)、金本・新井(いずれも阪神)

 いずれもクリーンアップを打つ主力と先発ローテーションを守ったエース級の投手ばかりが狙われた。そして今年は主砲として大活躍した「丸佳浩」選手に巨人が触手を伸ばしている。一説によると、丸選手が希望する複数年契約で、しかも5年で30億円超と破格の条件を提示し、獲得をもくろんでいるとか。年俸に換算すると1年6億超えでNPB史上最高額となる。

 広島は、ご存知のように、イチ地方の「市民球団」で、資金が豊富ではない。これまでFA権を行使した選手は引き止め工作はできなかった。一軍レギュラーやスタメン定着に育った選手は、移籍の際、涙ながらに会見し、改めて熱狂的なファンに詫びる形で泣く泣く移籍していった実例がある。新井にしても黒田にしてもそうだった。

 「西武ライオンズ」
 
 投手・・・工藤(ダイエー)、松坂・牧田(メジャー)、豊田・野上(巨人)、
       帆足(ソフトバンク)・涌井(ロッテ)、岸(楽天)

 野手・・・秋山・石毛(ダイエー)、和田(中日)、清原・片岡・脇谷(巨人)
      松井稼(メジャー・楽天・西武)、中島(メジャー・オリックス)

 そして今年はエースの菊地がポスティングシステム利用でメジャー挑戦を打ち出し、クリーンアップを張った浅村栄斗選手が国内FA権を行使した。

 西武は元から独自路線を貫き、無名選手をドラフトで指名し、それを一流選手に仕立て上げる育成能力がある。しかし、そうやって手塩にかけて育てた選手も、権利を取得すれば、手のひら返しのように大金目当てに他球団へ移籍してしまう。プロである以上、自分を高く買ってくれる球団を目指すのは当然かもしれないが、義理人情もなく、ファンへの恩義もなく、金に目がくらんで簡単に移籍するのはあまりにも世知辛い印象を受ける。

 ところで、今年、オリックスを自由契約になった中島裕之(宏之)選手も、巨人の原監督がべた惚れで入団は確実と見られている。WBC監督時代に中島を2番スタメンで使い、世界一になった功績が忘れられないようだ。
 そうなると、下手すれば金に物を言わせて中島だけでなく、「丸」、「炭谷」、「浅村」と一挙に大金をちらつかせて入団させる可能性も否定できない。

 皮肉なことに、他球団が一流選手に育てた選手を巨人が獲得してダメにするという構図が一般化している。

 当該の巨人はと言うと、せっかく大枚を叩いてFAや自由契約で獲得した選手が実力をあまり発揮できていない。これまでにFAやトレードなどで入団した大物選手は以下の通りだ。

 大竹(前広島)、小笠原・陽・吉川・石川(ともに前日本ハム)、野上(前西武)、
 杉内・立岡・森福(ともに前ソフトバンク)、山口俊(前DeNA)、ゲレーロ(前中日)、
 マギー(前楽天)、
 
 
 以上の選手たちは、移籍前のほうが華々しい活躍をしており、巨人に来た途端、成績が下がった典型例だ。

 こうしてみると広島と西武は、実に気の毒としか言えないが、両球団とも今年のペナントレースを制覇したという意味では、育成上手だし、首脳陣のコーチングや選手の起用法が抜群だと言えるだろう。

 さて、今年の「ストーブリーグ」に目を移すと、FA権利保有選手に超大物がズラリ揃っている。
 特に、4年連続でVを逸した巨人は焦りを隠せないに違いない。旧態依然で、FA権取得者に片っ端から声掛けし、手当たり次第にかき集める強引な手法をとるかもしれない。

 年内はその動向から目を離せない。

 ちなみに丸、中島、炭谷を巨人が補強したとして、打線を考えると脅威以外の何物でもない。

                  ポジション   
 1 陽/重信                         7   
 2 吉川尚/田中俊             4 
 3  坂本                       6
 4 岡本                    5 
 5 丸                              8      
 6 中島                    3 
 7 亀井/長野/ゲレーロ        9
 8 阿部/炭谷/小林             2
 9 菅野                    1

  あとは投手力次第だが、もし丸選手が抜けてしまい、広島が戦力ダウンすることを考えると、これほどの面子を揃えて優勝できなかったら、巨人はもうやり方を変えるしかない。
 こちらも気の毒なのは、せっかく芽が出てきた「大城」、「宇佐見」、「山本」、「増田」などの若手の逸材がその出場機会を奪われるということだ。私は「炭谷」を獲得する意図がわからない。これは炭谷自身もまた出場機会が減ることを意味する。大ベテランの阿部が捕手へのカムバックを表明し、強肩の小林、そして大城、宇佐見とスタメン捕手の候補を4人も揃える必要はどこにあるのか?甚だ遺憾だ。

 野球を知り尽くし実績十分の原辰徳監督の復帰で戦力は整ってきている。あとは若手を上手に育て、ベテランがへばる夏場にスタメンの入れ替えをすれば、5年ぶりの優勝が見えてくる。
 巨人ファンには朗報だが、他の5球団、ひいては11球団をまた敵に回すかもしれない。

 私は原監督が2度目の指揮を執る際に「ジャイアンツ愛」を全面に押し出してナイン一丸となって戦い、見事日本一になった経緯を知っている。なのに、今の巨人は常勝のプレッシャーからか、毎年他球団のFA大物選手を獲得し寄せ集め集団と化している。これではチーム愛も育たない。結果だけが重視され、優勝だけ求められる非情軍団に成り下がっている。実際に生え抜きの主力は「亀井」「長野」「坂本」「阿部」「岡本」「菅野」くらいで、他は陽、マギー、ペゲーロなど他球団からの移籍で賄っている。

 最後になるが、私の予想では広島の丸選手は、巨人ではなくロッテに入団する気がしている。それは単に出身県が千葉というだけでなく、同じセ・リーグで、広島と敵対関係になることは望まないのではないかという見方からだ。カープのファンは、カープ女子を始め、ファミリー的な存在で、こよなく選手を愛する球団だ。だから憎まれるようなことは避けるのではないかと考えている。逆に丸自身もロッテに行った方が、のびのびと野球に専念できる気がする。変なプレッシャーもなく、熾烈な外野ポジション争いもなく、安泰だ。

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