ありがとう藺草英己アナ!
「福島テレビ」で現在も好評放送中の「サタふく」。昭和の時代の「サタデーふくしま」から続いている土曜お昼のお楽しみ番組だ。高橋雄一アナ、岩田雅人アナを始め、FTVのアナウンサー陣が代わる代わるMCを務めて来た長寿番組で、私も30年以上見続けて来た。
その県民に知らない人は少ないであろう人気番組の中で、名物コーナーが突然に終結するという不可解な出来事が今年3月にあった。それは「自転車でGO!シーズンⅡ」だ。初代「自転車でGO!」では、県内90市町村を自転車で旅し、そこで地元の方々とのふれあいや人情話がウリのドタバタ珍道中に県民は癒されていた。
旅を通して、県内の知られざる珍名所やその魅力に触れられたし、何より、主役ながら毎回、方向音痴で無計画、行き当たりばったりの珍道中を繰り広げる「藺草英己アナ」の人柄がなんとも言えないほんわかした空気を生み出し、「サタふく」=「自転車でGO!」=「藺草英己」だったのは言うまでも無い。コーナーの中で、謎の覆面(タイガーマスク)プロデューサーとの絶妙なやりとりがあったり、藺草アナ特有の天然ずっこけがより親しみやすさを倍増させ、県民のお茶の間の人気者となっていた。
藺草英己アナウンサーのプロフ
1970年生まれの東京都江戸川区出身。早稲田大学を卒業後、1995年に福島テレビに入社し、アナウンサーとして活躍。 血液型はB型
東日本女子駅伝や競馬中継などスポーツアナとして活躍。一方では「ニュース」や「サタふく」など幅広い番組に出演した。
その明るく調子外れのキャラでお茶の間の大人気者になった。
私も放送を見て、足を運んだ観光地が何箇所もある。そしてこの人気コーナーは日曜日に名場面を特番で放送していたし、福島県内の名所巡りにもかかわらず、CS放送の「インターローカルTV」でも全国に流されていたのだ。
しかし、2018年3月、県内2周目の途中で、突然にコーナー打ち切りが発表され、視聴者を落胆させた。東京都出身の彼は、そうは見えないが、私学文型トップの「早稲田大学政治経済学部」を卒業した。実はとんでもない高学歴の持ち主で、番組内で魅せた「すっとぼけ感」や天然キャラは、実は彼の計算だったのかもしれない。
なぜ彼が、超人気コーナーを突然打ち切り、番組から、そして6月末付けでアナウンサー職から退いたのか。もちろん彼が不祥事をしでかした訳ではない。それは福島テレビ社内の人事異動によるものだった。
現在、彼は福島テレビの重役である制作部の部長に就任した。つまりは配置転換で大出世を果たしたことになる。東京都出身の彼が、福島県を代表するアナウンサーに成長し、あれだけ県民に愛された功績を評価したのだろう。アナウンサーと言えでも地方テレビ局のいち会社員である彼は、社内人事に抗うことも出来ず、社の方針に従い、惜しまれながら画面から去った訳だ。
おそらくは、視聴者や「自転車でGO!」で出会った人たちを大事に考える彼のことだから、辞令が出た時は、ご本人が一番ショックを受けたに違いない。大人気コーナーで、しかも二周目の途中で旅を打ち切らなければならなくなったことは、本意ではないし、一番彼が悔しかったろうし、視聴者に申し訳ない気持ちで一杯だったことだろう。
彼をテレビで見れなくなったのは視聴者には残念極まりないが、かつて高橋雄一アナもそうであったように、重要な放送では、代役でニュースやドキュメンタリーに登場することもあるに違いない。それを期待したい。
では、「自転車でGO!」のコーナーで使われていた名物BGMを紹介したい。
「男達のメロディー」(SHOGUN) https://www.youtube.com/watch?v=LUtE7MIZoNE
「さすらい」(奥田民生) https://www.youtube.com/watch?v=pdbSLpBgQ2I
この曲は今、「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」で使用されている。
「日曜日よりの使者」(ザ・ハイロウズ)
https://www.youtube.com/watch?v=1dOBFXVQlko&t=91s
「福島の人」(今西太一)
この曲は、コーナー終結時まで流れていたBGM
おそらく覆面プロデューサーさんと歳が近いせいか、番組内で流されていたBGMは、私の世代とドンピシャだったし、その選曲力と各要所の場面で流すタイミングが実に効果的で絶妙だった点に私自身はいつも感心していた。
さて、私は今でもこのコーナー復活を信じているし、「サタふく」ファンもそれを願っているに違いない。それほど「お別れ」は突然すぎるものだった。視聴者を見捨て、一方的に打ち切られた感が強く、ショックを受けた方が大勢いたに違いない。
そして今では「浜ちゃんぽ」と江戸むらさき「野村」さんの「福島ハッ見伝」が流されている。これらは私も好きで毎週見ているが、藺草英己アナの存在があまりにも大きかっただけに、コーナー打ち切りから7カ月、アナウンサー引退から4か月経過した今でも寂しさが募るばかりだ。
実は、私、彼とかつて在籍していた名和田アナと新幹線のデッキでバッタリ会ったことがある。「サタふく」放送終わりで移動中だったと思うが、郡山駅で下車した。気さくな人柄が表れていた。場所が場所だけにあまり話ができなかったが、芸能人特有のオーラはなく、普通の人といった印象で、それが彼の親しみやすさの源なのだと実感した。
名和田アナは、「三春滝桜」からの中継でも偶然出くわした。クルーを引き連れ、「めざましテレビ」の中継開始の出番までスタンバっていた彼女を見て、意外にも小柄で驚いた記憶がある。
とにもかくにも彼はユニークキャラで才能に溢れた方なので、制作部長として、これまでにないような地元密着型の番組を作ってくれること期待したい。
そして同時に、長年、私たち視聴者を楽しませてくれたことに感謝したい。
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