「奥の松酒造」の実力と苦悩
実力があり、全国的に高評価を得ているのに会社更生法適用の憂き目に遭ったり、売り上げが伸び悩んでいる酒蔵がある。
それは二本松にある酒造メーカーだ。二本松と言えば「大七」が日本全国の地酒ファンを虜にしている人気酒だが、ほかにも「千功成」が売れ行き好調な檜物屋酒造店がある。
しかし、その両者をも凌ぐほどの高評価を挙げているにもかかわらず、売れ行きがイマイチの酒蔵があるのをご存知だろうか。それは「奥の松酒造」だ。今は、「東日本酒造協業組合」という名称に変わっているが、この「奥の松」は福島県民なら古くから知っている銘柄だ。しかし、なぜか地元では人気が無く、売れ行きも悪い。なぜだろう。
「実力があるのに」と言ったのはお世辞でも何でもない。今年4月に開催された「2018年度モンドセレクション」において、純米大吟醸部門で最高金賞を受賞。さらに5月17日に発表された「全国新酒鑑評会」で、平成30年までなんと10年連続金賞を受賞し、かつまたその翌日に発表されたIWC(インターナショナルワインチャレンジ)でも1,639の銘柄が出品された中、純米酒部門、名倉山酒造の「月弓」とともに吟醸酒部門で最高賞を受賞した。
今年、金賞受賞数で6年連続日本一に輝いた福島県産酒の中でも、これほどの受賞歴に敵うものはない。なのに、なにゆえ売れ行きが悪いのか?
私が思うに、多少の風評被害はあるかもしれないが、私はPR不足も災いしているように思う。新潟の「越乃寒梅」や「久保田」などは、たいして旨くもないのに、大々的な宣伝や口コミで大ブームを巻き起こした。両者より、我が福島県の「国権」やこの「奥の松」、「天明」、「会津中将」のほうが断然旨い。しかし、いかんせん、宣伝ベタでは「奥の松」という凄い実力を持つ酒があることを知らない地酒マニアもたくさんいるのだ。
審査が厳しい「全国新酒鑑評会」で10年連続で金賞を受賞するのは並大抵ではない。しかも昨年は冷夏の影響で、米が不作と言われた年で、確かな酒造りの技術が無ければ、金賞など獲得できる筈がない。清冽な水と相まって、このような栄華を得るに至った。その功績は賛辞に値する。
現代社会はコンピューターや携帯を使った情報戦略が必須。これをフルに活用し、販売戦略を確立し、国内外に広くPRして欲しい。腕は確かなのだから、「日本一」の酒を自信を持って販売してほしい。
全国のみなさんも是非、この酒を飲んで欲しい。「あ~これが10年連続金賞受賞の実力か」と唸ることうあけあいだ。
私は地元民として、そして地酒ファンの一人としてこの酒を自信を持って薦めたい。
奥の松酒造のホームページはコチラ
最後に、福島県民にはただただ懐かしいCMをどうぞ!
« なんかいいCM | トップページ | 郡山ゴーストタウン?! »
「グルメ・クッキング」カテゴリの記事
- 福島県は饅頭王国?!(2020.07.24)
- 今が旬な地酒「古関メロディー」(2020.05.18)
- チョコレート専科(2020.02.04)
- 「令和」初日に際して(2019.05.01)
- 女性杜氏が輝く「大天狗酒造」(2019.04.13)
最近のコメント